ムサビ通信の実態

武蔵野美術大学通信教育課程の実態を解説

ムサビ通信の学生のレベルはどれくらい?

武蔵野美術大学通信教育課程のレベル感

一言でいうならムサビ通信は、日本の私立美大の中では、
下限のレベルは最も低く、上限のレベルは最も高い大学であると思われる。

具体的に言えば、下は「なんの知識も経験もない完全なる素人」であり、上は「既に名門美大を卒業していたり、プロとして活動している人」などが該当する。


なぜこのような極端なことになるのかと言えば、それは入試のシステムと、通信教育課程という特殊な環境、さらには「入学は簡単でも卒業は難しい」というムサビ通信の構造が深く関係している。
以下に解説していこう。

 

入学は簡単なムサビ通信

ムサビ通信に入学するのは非常に簡単だ。文字通り「誰でも」入学することができる。
しかしながら「やる気も実力もないダメ学生」的な人が多いのかと言われれば、あまり見かけないというのが正直な所感ではある。
「なんとなく入学してみたが、ついていけずに速攻でドロップアウトしてしまった…」というような人もいるのかもしれないが、詳細はわからない。
ただ、「やる気も実力もないダメ学生」でも入学しようと思えば入学はできるというのは事実なので、下限のレベルが低い事は間違いないだろう。

 

通信教育課程という特殊な環境

ムサビ通信教育課程の大きな特徴は、私立美大なのに学費が安く、また社会人でも通えるという部分だ。

そのため大学としては特殊なニーズもあり、入学初年度の学生の中にも、
「芸大やタマビを卒業後に教員免許取得のために来た人」
「通学のムサビを卒業後に、通学時とは別のジャンルを学びに来た人」
「現役で会社所属のデザイナーをやりながらスキルアップ目的で来ている人」
など、(入学初年度の学生としては)ズバ抜けて高い能力を持っている人が、数こそ少ないが一定数は必ずいたりする。

そのため、上限のレベルが高いことも間違いないと思われる。

 

「入学は簡単でも卒業は難しい」というムサビ通信の構造

ムサビ通信に入学して無事に卒業できる人は、全体の2~3割である。
言い方を変えると、入学者のうちの上位2~3割の人しか卒業できない。そのため、「入学者のレベル」と「卒業者のレベル」には大きな隔たりがある。
なので一口に「ムサビ通信のレベル」と言っても「ムサビ通信在学生のレベル」と「ムサビ通信卒業生のレベル」ではその意味合いは大きく異なってくるだろう。

前述のように「ムサビ通信在学生のレベル」は上から下まで幅広いが、「ムサビ通信卒業生のレベル」となると、ある程度以上の地力はあると見て良いと思われる。

 

実際どうなのか?

ここまでやや極端な例を上げてきたため「じゃあ実際の所はどんなもんなの?」という疑問に答えるために、個人的な所感を述べていく。

前述したようにムサビ通信は上から下までのレベル差は大きいのだが、在学生のボリュームゾーンは、やはりその中間の層が最も多いと感じた。

話を単純にするためにデッサンの授業(スクーリング)の講評会のみにポイントを絞って書いていくが、筆者がデッサンの授業を受けた際の実力の分布は下記のような印象だった。

完全に初心者…1人
横美等の入試が簡単な美大なら受かりそうな人…3人
桑沢、女子美日芸、東京造形に受かりそうな人…4~5人
タマビ、ムサビ(通学)にも受かりそうな人…1~2人
合計10人


これは個人的な所感且つ、たまたま同じ教室になった10人の話なので、あくまで参考程度に留めてほしい。
また、過去に美術予備校に通っていたとか、ムサビ通信と画塾に並行して通っているという学生も割といるようだった。
※大雑把に「◯◯大学に受かりそう」と記述してしまったが、厳密に言えばタマビや東京造形も学科によって難易度の差は大きいため、あくまでザックリした目安である。また入試の難易度は少子化が進んだ令和時代になってからのものを想定している

 

美大で例えられてもよくわからないという人のために、抽象的な表現に置き換えたものも下記に記しておこう。


完全に初心者…1人
ちょっとできる人…3人
結構できる人…4~5人
すごくできる人…1~2人
合計10人

 

ちなみに、経験のない初心者であっても、それで浮くとか、恥ずかしいといった事はまったくないため、とりたい授業(スクーリング)があったら堂々と参加しよう。